ニューデリー24時間 2008/08/06 18:30:31

できれば12時間以上滞在したくないデリーの目的・その1
ドーサを食すこと!!
ドーサを発明したインド人にノーベル賞を。
チベットには自由を。

クレープをパリパリに焼いたような食べ物で、
サンバル(タマリンドウの入った酸味のあるソース)に
付けて、ちょっと「フニャ」としたところを食べる。
デリーに行くと、必ずこの店でドーサを食べる私。
今回はプレーン・ドーサ。
直径40センチくらいの大きさなので、
薄くてパリパリでも、結構 お腹いっぱい。

「ああ、デリーに行くのか、、、、」いつも憂鬱になるけれど、

行ってみると、結構楽しめちゃうのが不思議でしょうがない。

地球の歩き方のトラブル集とまったく同じ手口で、それも10年前と変わらぬ手口で

「列車のチケット売り場はクローズだ」

「ガバメント・ショップはこっちだ」

「シュリナガールへ行かないか?」

へ~、そうなんだ!!と騙されたふりをして、ノコノコとインド人に付いて行く。

チャイが飲み終わったところに「やっぱり、列車のチケット要らないや」

とか言って、無料のチャイを飲みに行くのもまた楽しい。

人間、どれだけの嘘八百を並べることができるのか?それを観察するのも楽しみのひとつ。

暇な人は試してみてね、でもチャイに睡眠薬が入っていても責任持てません。

旅のすべては自己責任。
そんなデリーに24時間滞在しようと決めた目的は、ドーサを食べることと、

ラーマ・クリシュナ・ミッション(お寺)に行くこと。

ラーマ・クリシュナ
インドの聖人のひとりで、日本では「聖人」と言えばサティア・サイババなんだけど、

インドでは、ラーマ・クリシュナのほうが有名。

1800年代に生きた聖人で、恐らく、私がこの世に生まれたことのある人で、

尊敬している、ふたりのうちのひとり。あと一人は仏陀。
今まで生きてきて「あの時代に生まれてくれば良かった、、、」と思うことは、2つ。

1つは、ビートルズ、オーティス・レディング、ジャニス・ジョップリンが生きていた時代に、

青春時代を迎えたかった。リアルタイムで彼らの歌を聴きたかった。

「今度の、ビートルズの新譜、いいよね」、、、なんて会話がしたかった。

そしてもうひとつは、1800年代のカルカッタに生まれてきたかった。

ラーマ・クリシュナの説法を、美しい歌声を聴いてみたかった。

、、、、そんなことを言っててもどうすることはできないのでせめてお寺に行ってみよう。

実は今回の仕入れの旅に出る直前に、ニューデリーにラーマ・クリシュナミッションがあることを知った。

それも、安宿街で有名なパハル・ガンジーの外れに。

これを知らなかったら、デリーには1泊たりともしなかったはず。

午後は4時から一般開放されていて、私が行ったときは既に10人くらいの

インド人がお堂の中で静寂のときを過ごしていた。

若いカップル、家族連れ、しっかりと瞑想している人、などなど。

安宿街の喧騒の外れに、こんな静寂な空間があるなんて。

インドの良いところは、こういう静寂の中に身を置く場所がたくさんあること。

そして日本みたいに拝観料とかとらないこと。

お寺で瞑想していてもヘンな眼で見られないこと。

「神様に遭うためにお金を払わなきゃいけないなんて信じられない!」

日本の拝観料システムに憤慨していたインド人がいたな、そういえば。

私も周りのインド人に習って、ラーマ・クリシュナ像の前で、額を床につける。

本の中でしか知ることのできなかった、そして感じることのできなかったラーマ・クリシュナ。

少しだけ、近づけたと思うと、、、、ああ、やっぱり号泣。

決して大きなお堂ではないけれど、そこで瞑想していると

なんだかお堂が宇宙に感じてくる。

私たちは宇宙の中の地球に住んでいるけど、宇宙には行ったこと、ない。
漆黒の宇宙の中に、ひっそりと自分がいる。

何万光年とか数字を並べられてもピンと来ないけど、

こうやってお堂の中で瞑想していると、「宇宙って、相当広いぞ」というのが

なんだか実感できてしまうから不思議。

お寺の敷地内に売店があるので入ってみることにする。

英語、ヒンディー語、タミル語、ベンガル語、、、などなどに訳された書物がいっぱい。

さすがに日本語はなし。まぁ、日本語訳はどうやら日本で入手できるようなので、今回はマントラCDを買うことに。

店員さん(、、、と言っても僧侶)にお薦めを聞いてみると、

全5巻のマントラCDを見せてくれてた。これが基本だからと。

1枚200円だし、日本に戻ったら入手できなそうなので、全部買っちゃう。

帰国してこのCDを聞いてみると、5巻目が、なんだか魂持っていかれそうなほど、
「聞きながらなにかをする」なんてこと、できないほど私の意識はそのマントラだけに集中してしまう。

とても「仕事をしながら」聞き流すマントラではないよう。

「日本から来たのか?日本に支部があるよ」と、店員さんが日本支部の住所を調べてくれる。

メモって行きなさい、と。親切な人です、本当に。
ニューデリーの喧騒に疲れたら、是非、ラーマ・クリシュナミッションへ。

場所は、ニューデリー駅を背にしてパハルガンジーをひたすら歩きます。

野菜市場も通り過ぎて、もうそろそろ、大きな通りに出るな、、、と思ったころ、

左手にちょっと奥まって、メトロの駅が見えます。

その斜め向かいがラーマ・クリシュナミッションです。

観光地ではないので、あくまでも静寂のときを過ごすために。

http://www.rkmissiondel.org/

ラーマクリシュナミッション・デリーブランチのサイト(英語)

翌朝6時に起き、空港に向う。(本当に、ジャスト24時間滞在)

タクシーの中で、流れる風景を見ながら「また、戻ってくるんだよな、この街」とつぶやく。

初めてインドを訪れた街もデリーだった。それも真夜中。

空港の外はオレンジの街灯が怪しい雰囲気を更に醸し出し、

地べたに人が寝ている、たくさん。「これ、映画の撮影中ですか?」

本当の本当に着たことを後悔した。この怪しげな街に飛び込まなきゃいけないの?と。

怖いものを知らないって、なんでもできちゃうんだよね、、、、、

「あなたが今日の最初のお客さんだよ」 タクシードライバーが話し掛ける。

「知っているか?その日一番のお客が女性だと一日商売がうまくいくんだ。
、、、なんだか女神を乗せているみたいだよ、ハハハ。」

ハハハ、相当口の悪い女神を乗せているね、おっちゃん。

ふと、フロントを見ると、そこにはドゥルガ女神の写真と小さな像が置いてあった。

普通、タクシーやリキシャにはガネーシャのステッカーや、像を置かれている。
そう、ガネーシャは商売繁盛の神様だから。

ドゥルガが置かれているタクシーなんて、北インドで初めて見たぞ。

、、、もしかしたらこのおっちゃんベンガル地方出身なのかも。

それにしても、インドの最後の最後にドゥルガ女神に会えるなんて、

偶然にしても、嬉しい。、、、、また、戻ってくるよ、この地に。

7時発の飛行機で、ネパールに戻る。

戻る予定だったけど、帰りも3時間、飛行機が遅れる。

早起きできないなら、無理して飛ばさなくていいよ、飛行機 !!

最初から最後まで予定通りに進まなかった今回のインド滞在。

「自分が試される北インドも捨てがたい」、、、というのは友人の言葉。

いや、本当に。試されてばかり。

でも、試されるたびに自分の意外な側面を発見できる、インド。

すべては、自分を知るため。

アクシデントに見舞われても、病気をしても、何度も何度も訪れてしまう国。

磁場が、思いっきり私をひきつける土地。

バシストの民家
バシストの民家

 

 

 

 

バシストの共同洗濯場。もちろん温泉水
バシストの共同洗濯場。もちろん温泉水

投稿者:

tigressyogi

1969年冬・東京に生まれる 世界放浪中にクリスタルの美しさに心を奪われ クリスタルショップ Tigress Yogi を立ち上げる 筋金入りの偏頭痛持ちだか、日本を離れるとなぜか頭痛は消える 米国クリスタルアカデミーIntermediateコース終了 出没地:インド、ネパールその他山岳地帯

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