4 クンブメーラまでの道

コルカタからバラナシへ到着。初めて乗ったファーストクラスの車内で
思いっきり風邪を引く。寒すぎるほどのクーラーにやれる。
このままイラハバードまで行くつもりだったけど、体調的に辛い。
なので、一度バラナシの宿にチェックインすることに。
コルカタで日本人の人に「お勧め宿」と教えてもらったその宿は
3年前に私が泊まった宿だった。

しかし、部屋は満室。
「今晩8時にこの部屋に泊まっているババ(サドゥ)がチェックアウトするから
そしたらこの部屋を使ってね」と、いうことになる。
部屋をのぞいてみると、ババがふたり。

勝手にブラック・ババと呼んでいる、黒装束のサドゥ。
とても少数なのか、今まで3人ほどしか見かけたことがなかった。
話かけてみると、どうも人の死とか、黒魔術なんかと関係があるよう。
このババは英語を話す。後日、ほとんどのババが英語を話さないことを
身をもって知り、黒装束プラス英語オッケーという稀有なババだった。


ブラック・ババと一緒の初老のババ。
こちらのババは一切英語を話さないので、会話は不成立。
でもタバコをあげるとニッコリと笑ってくれるので、
「あなたの、笑顔が見たいから」ばかりに隙を見てはタバコを渡す。

歳も、そして恐らく宗派も違うババ同士がなぜ一緒にいるかわからないのだけど、
ブラックババは、当たり前のように初老ババの荷物を持ってあげたりしている。

話は相当へし折るけど、結局、このババたちと、その日の夜にイラハバードに向かうことになる。
メンツはババ・2人、宿のオーナーの奥さん(インド人)日本人女(私)、ドイツ人(男)という内容。
いったいどこに共通項があるのかまったく不明のグループだけど、敢えて言うなら

インド人・3人とインド好き外国人2人、、、、こんなところでしょうか?

夜、9時半に宿を出発。列車で行こうとしたけど、到着した列車は既に鈴なり状態だった。
、、、こんな状態なのに、なんで更に切符を売るのでしょうか?ねぇ、なんで?
きっと誰に聞いても答えは出てこない。考えても同じ。

「ここは、インドだから」そう思うことにして、すべてを受け入れる。

さて、次の列車を待つことになった。(なんで?次も絶対鈴なり列車なのに、、)
時間があるので、外に出てタバコを吸おうと歩いていると、
突然、「落ちる」私。
道端に、なんの囲いもなく、存在する穴ぼこ。2メートルほど落下する私。
膝下まで、きったねぇー汚水に浸かる私。
一瞬何が起こったのかさっぱりわからず。

「hey, are you O.K?」
なぜ、ドイツ人が私の頭上高くで話しかけるのでしょうか?並んで歩いていたのに。
引き上げられると、膝に擦り傷。汚水の中で、切り傷。
そして両足首も、軽く捻挫している。

できれば「ええ、沐浴してきましたよ」となにもなかったことにして
宿に戻って、ホットシャワーを浴びて、そのまま寝てしまいたい、、、とほほ。
いや、本当に戻れよ、その傷口はちゃんと消毒しろ!絶対!!なんだけど、
いやいや、私は行くよ、クンブメーラ!!
「君はラッキーだよ、あんな穴に落ちて骨折してないなんて!」とドイツ人。
たぶん、相当ラッキーだと自分でも思う。ラッキーなんだから、このまま旅を続けよう。
一度奈落の底に落ちないと聖地への道は開かれないのだ、、、、きっと。

結局、列車をあきらめて、バスロータリーに向かう。
、、、、でもそこでもバスは満員ギューギュー。
4時間掛かってやっとバスに乗ることができた。
既に夜中を回っている。

車中夜が明けて、でもバスは渋滞に巻き込まれてまったく進まない。

これもバス。インドではオッケー。


イラハバード市内まで、5キロの時点でどーにもこーにもならなくて、
バスを降りて歩いていくことになる。

会場まで、10キロはあるくことになる。
それでも、乗客たちは歩き始める。杖をついた老人も歩き始める。
もちろん、私たちも歩き始める。まさに巡礼。

早朝のパレードを見る予定だったが、日が高くなってもまだ会場に到着しない

お昼近く、河川敷に到着。ああ、懐かしい光景だな。


会場は25キロ四方の、町がそこにあります、くらい広大。
やっと町の入り口に到着しただけ。
なので、目的のサンガンまではあと数時間歩くことに。
サドゥのパレードなんて、とっくに終わっちゃっている。
でもババをはじめインド人は、パレード見学が目的ではなく、
そう、沐浴をしにここまできたので、がっかりしている様子はない。

疲れというのは、ある一線を越えてみると、アドレナリンが分泌されるのか
なんだかとってもハイテンションな気分。
現実的には、両足首の捻挫が痛いんだけど、なぜか
「はい、その痛みはとりあえずここに置いといて」という
新たな思考回路が構築される。本当に。

2時間ほど歩いてやっと「クンブメーラ会場内」に到着

投稿者:

tigressyogi

1969年冬・東京に生まれる 世界放浪中にクリスタルの美しさに心を奪われ クリスタルショップ Tigress Yogi を立ち上げる 筋金入りの偏頭痛持ちだか、日本を離れるとなぜか頭痛は消える 米国クリスタルアカデミーIntermediateコース終了 出没地:インド、ネパールその他山岳地帯

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