311、桜

悲しい出来事とリンクしてしまうようになった桜。

桜が悪いわけでなく。

新生活が始まるこの季節の踊る心、そして桜。それが定番だったのにね。

「震災当時は小学生で、、、」

進学や就職で故郷を離れ関東圏で生活する震災経験者によく出会うようになった気がする。

当時、メディアで得た情報とは違う側面の話を、聞く。

切り取られた被災者のインタビューでなく、オフレコで聞くその当時の記憶は

本当に生々しく、泥臭く、なんでもかんでも美談に持っていこうとする風潮が薄っぺらく思えてくる。

もちろん、本当の美談もあるのだけど、ね。

風化させてはいけない出来事だし、そこから学ぶべきことはたくさんある。

(本当に学べているのかな?)

去年も、今年も、来年も。

この先ずっと、この日が来ると声に出して心に誓う。

死ぬまで生き抜こう、そして今を生きよう。

希望の舟

石に集中するのは、大まかに言うと3つのパターンがある。

まず、仕入れの際の石のチョイス。この時はほとんど頭空っぽになって何も考えず、恐らく何かの基準が自分にあるとは思うのだけれど、、、、石を選択する。

そして石の撮影時。どの角度からとるか?光の角度などなどを考える。そして思わぬ美しさやを発見する。「あれ?こんな表情もあるんだ」と。

マクラメで作品を作る時。コードの色を選んだりデザインを考えたり。

あと、石と瞑想するときもそうなんだけどこれはちょっと集中の仕方が違う。

この3パターンで集中するとき、石と、もしくは自分自身と会話が行われることがある。正直、何と会話をして、どこから言葉がやってくるのかわからないのだけど。

今日は、希望の舟、と名付けた石のお話。

手にした時からノアの方舟みたいだな、と思ってこの石のことはノアと呼んできた。

サイトに掲載するにあたって聖書に疎い私は躊躇いもあって希望の舟と名付けた。

月日が経って、現在、新しいサイトを作るにあたり撮影をし直している最中。

先週、この石の撮影をしている時、ふと浮かんできた言葉がこれ。

「生きて行く手段とその糧は既に持っている。あとはそれを自分の中から探し出すだけ。自分の外で探してはいけない、既に持っているのだから。発見するだけ」

激変していく今の時代、未来は正直予測不可能だし、この先年老いて行くわけだし

どうやって生きて行く(サバイブする)のだろう、、とぼんやりとした不安はいつも

心のどこかにはある。

どんな時代であってもサバイブは動物の本能なのかもしれないけど。

そうか、もう持っているのか。「何を持っている?」と考えてみてもうまく思い浮かばない。

ここまで生きてきたは良き人との出会いが大きいと思う。

石と旅が好きで、ここまでやってきた私だけど、まだ自分の中で発見できていない何かが

あると言うことなのかもしれない。

自信過剰にになりそう、、、と思った瞬間、

「安心してないで。自分で探さなきゃいけないんだよ、それがキーポイント」そんな声を聴く。

棚から落ちてくるものでなく、「発見すること」。それも外でなく、内にあるもの。

内なる何かを探し出すこと。それが希望の舟に乗り込むことなのかな。

寒空の下、太陽に照らされ輝くクリスタルを見つめながらふと思う。

しかし、寒いね。

3月の催事、@横浜

日時:2023年3月24日(金)〜 26日(日)11時から17時

場所:コトリスタジヲ

  〒221-0822 神奈川県横浜市神奈川区西神奈川2丁目1−2 Mビル2階

「細かい仕事をする人」と題して

ミニュチュア作家さんのKAMADO-NEKOさんとご一緒に開催いたします。

東横線東白楽の駅の向かい側にあるピスタチオグリーンの建物の2階。

日本手ぬぐいをはじめとする雑貨屋さん・コトリスタジヲさんでの開催です。

今回は金曜日からの3日間の開催。

ご来場お待ちしています。

1月のオーダー作品

ヒマラヤ山脈のかけらのような、でも本物のクリスタルのかけらで制作したペンダント。

フレームで周囲全部を固定してしまえば簡単でしたが、

美しい山脈の形をどうしてもフレームで囲いたくなくて、

作り上げるまでに想定以上に苦戦してしまったペンダントです。

コードの色をチョイスしていただき、デザインはお任せします、とのオーダー。

制作工程においてもどんなデザインになるかがわからなかった作品。

そう、デザインするのは簡単なのだけど、いかに丈夫に固定できるか?

それが最優先事項。

昨年の10月にこの石が手元に届いたのだけれどなかなか形にすることができず、

2ヶ月近くかかってようやく完成。

何度も挫折しそうになって、でも制作に入る前に毎回、

「絶対に私は完成させることができる」と自分に言い聞かせて。

時間がかかってしまいましたが

辛抱強く待っていただいたオーダー主様に感謝。

週末、現実逃避

今年に入ってやらねばならぬことたくさんありすぎて、エンジンかけまくって走ってきたのだけれど1月も終わらないのに、立ち往生してしまった私。

知り合いの誘いを受けて、週末の現実逃避へ。

新潟県十日市。日本有数の豪雪地帯でおこなわらた雪上ライブへ。

新緑の美しい季節に、一度訪ねたことがあるのだけど冬になったら、雪で閉ざされると言われてもピンとこなかった。私は本当に雪国を知らない。

その日の積雪は1・5メートル。今年はまだ雪が少ないそう。

新緑を身に纏った木々も美しいけど、雪化粧した木々も本当に美しい。

スノードームの中に入り込んだよう。

仕事のメールを一切読まず、帰宅後の予定も一切考えず、頭空っぽにして雪の中に佇み、ミュージシャンの奏でる音色を聴く。視点を少しだけ上に向けると、私を囲む雪化粧をした森。

そうだ、私は本来、旅人だったんだ。と言うことに気づく。

知らない場所に行き、その土地の風を、匂いを、音を、風景を感じ、自分の中に取り込み何かを掴み取ってきたんだ。

日常生活の基盤を、居場所を確立するため、随分と旅から離れていた。それはとても必要なことだったし戻る場所がなければ旅はできない。

『戻る場所なんて、必要ないんじゃない?』

もうひとりの私が囁く。(悪魔)

「戻る場所がなければ、それは旅ではないよ』

「本当に、そうかな?」

必要ないのであれば、この10年、私がしてきたことはなんだったんだろう??

雪深い小さな集落で問答が始まる。

答えをすぐに出さなくてもいい。

日常に戻り、タスクをこなす日々が始まったのだけれど、

その問いかけはずっと心の片隅に置いておこう。

1月があっという間に過ぎている

昨年末に軽く息切れをし、年明けてスローペースの仕事始めとなりました。

年明けのある日、美しいアクアマリンの夢を見た。ここ数年、泥沼に落ちるが如く深い眠りに着くため夢を見たことがなかった。「石の夢を見ることができるなんて、幸せだな、私」眠りから覚める瞬間にそう思った。

今年もまた、石と共に生きていけるんだな。一年の幕開けに幸せを噛み締める。

”今年こそは”の新年の抱負は「何事も後回しにしないこと」

人生は思っているほど長くはない。もう、後回しはやめる!と自分に言い聞かせた矢先、

諸所の理由で現在運営しているネットショップのサイトを引越ししなければならなくなった。

遡ること2006年。引きこもって人に会うことなく収入を得たい、という後ろ向きな理由でネットショップを開設した。途中、親の看病や自身の体調不良や数回に渡る引越しなどなど色々な体験をしてきたけど、ネット上にある「お店」は畳むことなく続けてきた。開設当初はマクラメアクセサリーは販売していなく、原石のみを販売していた。稼働してから全くバージョンアップせず、あっという間にシステム的に「古いホームページ」になっていた。

いつか作り直さないとなぁ(鼻くそホジホジ)、、、、で月日は流れに流れた。

新年の抱負を自分に言い聞かせていたタイミングでのネットショップお引越し。

もう、これは神の啓示なのだ、と重い腰をあげ、現在作業を進めています。

(2月後半から3月にかけて一時的にネットショップをクローズする予定です。

お正月休み中に久々に素敵な映画に出会った。

原作名:SIR

2018年のインド映画。舞台はムンバイ。

村から大都会ムンバイへ、メイドとして働く女性が主人公。

まぁ、ラブロマンスのカテゴリーなんだけど現在のインドの格差社会と男尊女卑にさりげなくスポットを当てた映画。

私が印象に残ったシーンは、ファッションデザイナーを夢見る主人公が友達からお金を借りて洋裁学校に通うことになる。学校に通う前に鋏や布や針など洋裁道具を揃えるんだけど、買い物が終わってベッドの上に一つづつ洋裁道具を並べる。

その姿はネットショップを始めるために少しづつPCやデジカメやその他諸々の撮影機材などを買い集めていたかつての自分を重なる。

そう、誰にでも夢を見る権利はある。

正月早々、この映画から勇気をもらう。

アマゾンプライムで視聴できますので、ぜひご覧ください。

2022年が過ぎていく

ここ何年かは大晦日が来るたびにつぶやく言葉。『今年も生き延びた

一種の生きていることへの感謝の気持ち、なんだと思う。同時に何かに生かされているなとも思う。若いころは健康で生きているのが当たり前でそんなんことに感謝するなんて想像もできなかったけど。歳を取ったんだな、でも何かに感謝できるって素敵なことだと思う。

今年はいくつかの催事に出てお客さまと直接お会いできたことがとても嬉しかった。

そして随分たくさんのオーダー作品を作った年でもあった。

自身のために、友達のために。故人の思い出の品をペンダントに。

経緯を聞いてから作り始めたものもある。

それぞれに物語があり、その物語をそっと心に留めて指先を動かすことも。

旅立った石たちがいつまでも輝き続けますように。

皆様、穏やかな新年をお迎えください。

御礼

二日間にわたるnagohakoさんでの個展が無事終了しました。

ご来店いただいた皆様、ありがとうございました。

頂いたオーダーは順次、制作に取り掛かりますのでよろしくお願いいたします。

ゆっくりと時間の流れる空間で

美味しいお茶を飲みながら作品を見て頂く

それが私のささやかな夢でした。

夢は見るものでなく、叶えるもの

そんな機会を提供してくれたnagohakoさんに感謝。

茅ヶ崎花火大会

初日の夜は、先月から延期になっていた茅ヶ崎花火大会でした。

花火大会に合わせて日程を組んだ訳でなく。

そしてこの日はインドで「光の祭典」ディワーリー。

これも全く偶然。夜空の花火を眺めながら、

今年のディワーリーは茅ヶ崎にて

随分長い間、彼の地に行っていないけど、ハッピー・ディワーリー!

2日間を通して、久しぶりのお客さま、そして友人と再会でき

とても楽しい時間を過ごすことができました。

 ========== ここからは食べログ! ==========

会場となりました茅ヶ崎にありますnagohakoさんは、

自家焙煎コーヒーと日本茶とスイーツの美味しいカフェ。

2日間、在店してキッチンを盗み見(?)していて、

とても丁寧にコーヒーとお茶を入れ提供されていいました。

滞在中に私が食した美味しいものをご紹介!

勝手に名付けた「身体に染み渡るカプチーノ」

初日は開店と同時にお客さまがみえて、一杯のカプチーノを飲み終えるのに3時間近く掛かってしまったのだけど、出来立てでも冷めてしまっても、とにかく美味しいカプチーノ。エスプレッソとミルク、砂糖のバランスが絶妙。

「紫蘇番茶」

紫蘇に番茶。意外な組み合わせのようだけど、これがまた癖になる味わい。誰が発明した組み合わせなんだろう?お湯を注して杯数を重ねるたびに味わいの変化が楽しめるお茶。

ずんだを発明した人にノーベール平和賞を。私の大好物であるおはぎのずんだ。塩加減が絶妙。

クリームトーストのクリームは豆乳をホイップしたもので、ボリュームがありますが、さっぱりとした味。

これは癖になるというより、中毒になる(なった)美味しさの紅麹甘酒ぜんざい

麹と甘酒とぜんざい。

ずべては知ってきる味なんだけど、これらが組み合わさると人を中毒にさせる。

8月に打ち合わせで伺った時にも食し、今回も食す。イチオシ!!

========== 食べログ終了 ==========

祭りの後のごとく、少々腑抜けになっておりますが、

もっともっと良い作品を作り出せるように腕を磨き

nagahokoさんでご披露できるよう精進いたします。

ありがとうございました。

ネパール銀細工 その2

明日からの2日間、茅ヶ崎のnagohakoさんでの個展で販売します

ネパール銀細工のご紹介。

ガネーシャとカーラチャクラのペンダントトップ。

ガネーシャはインドの神様で商売繁盛の神様、とも言われています。

商売をはじめる、旅に出る、など何か新しいことの始まりに

ヒンドゥー教に人々はガネーシャに祈りを捧げます。

カーラチャクラ ペンダントトップ

チベット仏教の聖典のひとつ、カーラチャクラ。

カーラ=時、チャクラ=存在を意味し、日本語では時輪と訳されます。

ダライラマ法王のみが灌頂(イニシエーション)できる

特別なタントラの曼荼羅をモチーフとしたペンダントトップ。

全てのカーラ(時間)の中にチャクラ(存在)があり

全てのチャクラの中に時間がある。

(ダライラマ法王日本代表部事務所HPより)

ある時のネパールでの仕入れの旅の時。

ひっそりと営業していた薄暗いアンティークショップに立ち寄った時に

目に飛び込んできたこの3つのペンダントトップ。

お土産屋さんに並ぶアクセサリーものとは全く違う作りに一目惚れして

仕入れていたものです。

この3つのペンダントトップは、裏に蓋がついていて、中が空洞になっています。

マントラ(お経)の書かれた紙を内部に収め、裏蓋を接着剤で封印し、お守りとして身につけるものなんだよ、と、ネパール人の友達が教えてくれました。

ネパール銀細工 その1

今回のnagohakoさんでの個展ではネパール銀職人の手によるシルバーアクセサリーも販売いたします。

ベリドットリングとローズクォーツリング

ネパールの首都、カトマンドゥ。ここに住むネワール族の中に、先祖代々銀職人として伝統を守り続けている人々がいます。

元々は銀細工で宝具を作っていたと言われていますが、

美しく緻密な装飾品としての銀細工が有名です。

ネパールを訪れるたびに、少しづつ工房でオーダーしてきたシルバーアクセアリー。

ペンダントトップのバチカン(チェーンを通す部分)は、とても大きく作られており、レザーコードを通すことができます。

銀をふんだんに使用し、ずっしりと重みのあるペンダントトップ。

銀の価格が高騰し続けているため、こんな贅沢に銀を使ってのオーダーはもうできないかもしれないな、と思ってしまいます。

nagohakoさんインスタグラム