オーダー作品より

捨てられてもおかしくない、石のかけらに命を吹き込む。

オーダーをいただいた時点ではまさかこんなデザインになるとは思っていたなかったのだけれど。

じっくり眺め、触っているとある瞬間にふとアイディアが降りてくる。その瞬間をつかんだら絶対にはなさないこと。

掴んでも途中で行き詰まることだってある。そんな時は一旦手を休めて距離を置く。でも絶対にあきらめないこと。

「絶対に私は、作り上げることができる」

行きつまると自分にいつもそう言い聞かせる。

試行錯誤を繰り返し、やっと完成に辿り着けた作品。

7月完成予定で頂いたオーダーがこんなにも遅くなってしまいました。根気強く?お待ちいただいたオーダー主の方に感謝。

オーダー作品より

7月はオーダーではじまりオーダーで終わる、日々。

7月のオーダー作品、の一部

お持ち込みの水晶をペンダントに、というご依頼。

原石をマクラメ装飾にするときは石の形の制限が色々とあって、毎回悪戦苦労する。その分、完成した時の嬉しさはひとしお。

6月頭の出店が終わってからの作品作りだったので随分お時間を頂いてしまいました。

さぁ、作るぞ、と気合いを入れて、集中する。日々の集中作業の中、日本中に激震走るような事件。悲しい気持ちより激震。どこの国にすんでいるんだ?私。

本当にテレビのない生活をしていてよかった、と思った。『知ること』は大切なことだけど、心を平安に保つのには、テレビをつけないのが一番。

ウクライナの空の下では、こんなふうに日々、人が死んでいるんだな、愛する人が殺されているんだな、と改めて心が痛む。「だって戦争している国なんだからしょうがいないでしょ」と思ってしまう人もいるかもしれない。でもついこの間まで、様々な問題を抱えながらも日本と変わらない日常という名の幸せが続いていたはず、この先も、続いていたはずなのに。

巷で期待していた風の時代ってこんな感じの幕開けか。なんとなく予想はしていたけど。

テレビを持たず、集中できる作品作りがあって本当に救われた7月。

、、、、まだオーダー作品作りは続きます。

出展作品より

インド産ゴーニッククリスタル(アイスクリスタル)

こちらも「石のかけら」シリーズ。

ぎっしりとトライアングルが刻まれている原石。実は10年以上前に入手した石なんだけど、本当の持ち主がいて、いつかきっと、この石と出会うのを待っているんだろうな、という感覚が降りてきて、ずっと手元に置いていた石。かけらなんだけど。

先日、ふとこの石と目が合ったら「待人来たる」という言葉が湧いてきて、久々の出店で多くの人が交差し通り過ぎるこのタイミングで作品にしてみようと、思い立って作り始めたペンダントです。

決して品行方正な美しさを持つクリスタルではない。でもなんだか強い意志を秘めている。恐らく、持ち主が見つけてくれるのではなく、この石が持ち主を見つけ出すのではないか?と思う。

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  ヨコハマハンドメイドマルシェに出店します

  日時:2022年6月4日(土)、5日(日)11:00〜18:00

  場所:パシフィコ横浜 B ,C,Dホール

  ブース番号:A-103

  入場料:当日券1200円、前売り券1000円(小学生以下入場料無料)

https://handmade-marche.jp/about/

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2022年の1月に。きっと大丈夫。

今年は少しゆっくりお正月休みを取って仕事始めは第2週から。

が、気がつくと、オミクロン株が猛威を振るい予定をしていたスケジュールが次々とキャンセルせざるおえない状況に。予定が変わり色々な調整をするというのは、なかなかストレスがかかるもの。まぁ、要するに「思い通りに行かない」というストレスなんだけど。

追い討ちをかけるように、私の住まうエリアの某私鉄沿線で人身事故という「アレ」が多発。人身事故なんて、よくあることではあるのだけど、あまりにも多すぎる。電車遅延、行き先変更。倍以上の時間を掛けて終電ちょっと手前でやっと帰宅できたことも。あまりにも頻繁にに起こると、少しずつ心の中に澱がたまり、気がつくとどんよりとした影が心を覆う。

思い通りにいかない。

こんな風に外の世界と自分の歯車が噛み合わなくなっている時、私はそれに抵抗することなく、小さな自分の世界に引きこもることにしている。そこはある意味、聖域。

ずっと先延ばしにしていた作品を作り始める。

どうして引き延ばしにしてきたか?と言えば「時間がないから」。

昨年はひたすらオーダー作品を作ってきたような気がする。「時間ができたら」取り掛かろうとしていた石たちは昨年末に作業台に並べていた、「来年、時間がある時に」と。この1月はもう自分の行動や努力ではどうすることもできないことが多すぎるようだ。しばし嵐が去るまで聖域に引きこもろう。

コツコツと指先を動かす日々の中でふと、「きっと、大丈夫」という言葉がどこからか聞こえてくる。どうやら私は、思っている以上に不安や心配事を抱えているようだ。

何が大丈夫なんだろう?

「石と共に」

素敵な言葉だ。石と共にいるから、大丈夫。

全く説得力のない言葉のような気もするけれど、妙に腑に落ちた。

予想がつかない、先が見えないというのは時に人を不安にさせる。思い通りにいかないことも含めて。それでも。

きっと大丈夫。

冬の光の下で穏やかに輝くクリスタルを見つめて、声にしてみる。

きっと、大丈夫。