怒涛のインド・マナリ行き 3 2008/07/17 09:08:56

「インドの1時間遅れは、日本の5分遅れ。インドの1時間遅れは、、、、」

マントラのようにこの言葉は唱える私。
6時出発のはずのバスはまだこない。
西日のジリジリ当たる、道路の片隅でナイトバスを待つ私と多数のインド人。
時刻は7時を過ぎている。

決して辛抱強いとは言えない国民性のインドだけど、
「予定通りに進まない物事についてはひたすら待つしかない」
このことに関してはとても寛容で辛抱強い。

誰も文句は言わない。西日にジリジリ焼かれながら。

昔はいつ来るか判らないバスや列車を待って、夜を明かしたもんだよ、
プラットホームで、バスターミナルの地べたで。
知っている?地べたって、太陽の熱をいっぱい溜め込んでいるから直接寝っころがっても暖かいんだよ。
もちろん夜明け前は寒くなって眼が覚めてしまう。
そうすると、近くで焚き火を起こしているインド人が「焚き火にあたれて」って手招きしてくれるんだ。
こんなハプニングも、旅のいい思い出だな、、、、、、、
、、、、そんなことを思っていられたのも20代までの話。

私はすでに30代後半。

金は払っているんだ。バス、とっととこんかい!オラ!!!!

予定時刻1時間半を過ぎて、バス到着。

チケットを見せて乗り込むと、はい、あなたはこの席、、、と言われる。

席じゃないでしょ、スリーパーでしょ?私がお金を払ったのは!!

「マダム、あなたの払ったの550ルピーは座席の値段。スリーパーではない」

、、、、一本取られました、旅行代理店に。

チケットを購入するとき、念のため「スリーパーバスだよね?」と確認した私。

答えは「YES」。

でも、スリーパーつきバスのチケットだけど、あなたにスリーパーを確保したなんて、一言も言ってませんよ。僕たち。

、、、、ただちに、旅行代理店に怒鳴り込んでもそう言われるのがオチ。

ま、ガバメントバスより気持ち安いし、このバスに乗っていれば目的地まで運んでくれるんだし、
いいか、、、、騙されたけど、ボラれた訳ではないし、、、、、、
でもエアコンつきって言ったのに、エアコンちっとも効いてないけど。

そう、野宿するよりはマシ。バスが来て、乗れたし、席はあるのだから。

これから12時間の旅。さすがに朝からの移動で疲れた私は、爆睡。

、、、、真夜中の12時ころ、眼を覚ますとバスが止まっている。
「休憩時間なの?」と他の乗客に聞くと「道が渋滞しているらしい」とのこと。
ふ~ん、そうなんだ。再び眠りに就く。

明け方、もう一度眼を覚ます。、、、バスは「渋滞に巻きもまれた」場所から動いていない。

なんだかおかしいぞ。
ものすごい、田舎道でバスは停まったまま。
道沿いには、数軒のチャイ屋と、警察の詰め所。
とりあえずバスは動きそうにないので、青空トイレをしに外に出て
朝一番のチャイを飲む。
30分ほど外でフラフラしてからバスに戻る。

暫らくすると、知らないインド人がバスに乗り込んできてなにやら叫ぶ。
乗客が一斉に動き出す。荷物を持って、、、、、、、

ナニガオコッタノデショウカ???

ひとりのチベット人のおねぇさんを捕まえて、なにが起こったの?と聞いてみる。

「私たちの乗っているこのバス、バス会社は払うべき税金を払っていなくて、警察の検問で止められたの、
真夜中に。さっき男性が叫んでいたのは、
このバスは、これ以上先には進まないからみんな降りろって言っていたの」

バスは動かない。あとはそれぞれ頑張って自力で目的地に行ってください、健闘を祈る。

、、、、、こんな感じでしょうか????冗談じゃないよ!!!!!

乗客みんな、諦めてバスを降りる。バスの車体に書かれている電話番号をメモる人もいる。
そう、後でチケット代を返してもらうために。

、、、、で、私、どうすればいいわけよ。だいたい、ここ、どこなの???

目的地は標高2000メートルの場所。
でも現在地の景色は、、、、まだまだ山が低い。
夜中の12時から止まっていたということは、半分の距離を走ったかどうか、、、、ってところ。
、、、、、雨も降っています、、、、、、、、

このバスで、外国人乗客は私の他に白人のお兄さんふたり。
彼らは早速、トラックを止めてヒッチハイクの交渉をしている。
他の乗客インド人たちは一斉に携帯電話を使いだす。
目的地が近い人、知り合いが近くにいる人は、助けを求めているよう。
、、、、1時間もすると、乗用車が迎えにきて、「よう、よう、大変だったな」ってな感じで、
1組、2組と消えていく、、、、、

私、こんな場所に知り合いなんていません、携帯も持っていません、
ガイドブックだって持っていません。。。。

うーん、どうすればいいのかな?私。

すると先ほど、バスが止まった理由を教えてくれたチベット人のお姉さんが
「あなた、何処まで行くの?」と声を掛けてきた。
なんと、お姉さんたち家族もマナリに帰る途中だったらしい。

「じゃぁ、一緒についてきなさいよ!」

捨てる神あれば拾う神あり。

今回の神様はチベット人。

お姉さんの話によると、とりあえずここでローカルバスが通るのを待つ。
そして◎×*という街まで行って、そこからマナリ行きのバスに乗る、、、ということ。

◎×*までは歩いていけないの?と聞くと、余りにも遠すぎるとのこと。

ローカルバスを待ちましょう。
そして、このお姉さんについていきましょう。
それしか選択枝は残されていません。異邦人の私には。

R0015071
路頭に迷う乗客

「夜、出発して、朝になったら目的地に到着している、、、、、」
ヒンドゥの神様を信じるがごとく、ダライラマを信じるがごとく、
ブッダを、キリストを信じるがごとく、、、、、、、、
そう信じていた、路頭に迷う、元乗客たち。
撮影している私も路頭に迷う乗客のひとり。

投稿者:

tigressyogi

1969年冬・東京に生まれる 世界放浪中にクリスタルの美しさに心を奪われ クリスタルショップ Tigress Yogi を立ち上げる 筋金入りの偏頭痛持ちだか、日本を離れるとなぜか頭痛は消える 米国クリスタルアカデミーIntermediateコース終了 出没地:インド、ネパールその他山岳地帯

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