9月にPCR検査を受けたこと。

9月の初旬にPCR検査を受けた。陰性だったけど。

熱が出た。37度ちょっとの熱を出すことは年に数回ある。

パッと発熱してゆっくり休んで、はい、おしまい。その時もこのパターンだと思っていた。が、2日経っても熱が引かない。頭痛、関節痛、発熱。味覚はある。

夕方、38.5度まで上がった時流石に覚悟した。役所のHPに番号振られて「女性・感染経路不明」って数日後には載るんだろうな、、、、と。とりあえずリュックに入院セットを詰めて玄関先にセットする。そして市の感染なんとかセンターに電話をする。どのような手順を踏めばいいのかを確認するため。

随分辛そうな声だったのか、夜間救急センターに行くように言われる。我が家から徒歩で15分ほどの距離だ。「タクシーを使ってもいいのか?」と聞くと「まだ感染が確認されてた訳ではないので大丈夫です」とのこと。38度を超えて徒歩は辛すぎる。でもタクシーの運転手さんに申し訳なさすぎる、、、と徒歩で向かうことにする。

全くもって足取りが重い。後ろから来る人にどんどん抜かされていく。途中休憩を入れながら30分かけてセンターに到着。熱測って、聴診器当てておしまい。胸部レントゲンも血液検査もなし。ここでもPCR検査はできるが、病院の紹介状が必要とのこと。明日一番近い内科を受診すること。そして1日分の抗生剤と解熱剤をもらう。

真夜中になると、熱は40度を超える。解熱剤で一旦楽になるが、朝にはまた40度。

熱出過ぎて震えが止まらない。思考力なし。ただ、病院に行かなくては死んでしまう。とにかく病院に行かなくては。実はこの春に知人がコロナで亡くなっている。毎日のように感染者数や死亡数がネットに流れてくる。その数字は私の知らない人、どこか遠くの人。でもいざ「知っている人」がその数の中に含まれている現実を突きつけれると「本当に、怖い」と初めて実感する。

近くのクリニックに行くと、高熱過ぎてここでは対処できないとのことで大きな病院に紹介状を持って行くように、と言われる。私は甲状腺の病気を持っていて、専門の病院に定期的に通っている。本来ならその掛り付けの病院に行って紹介状を書いてもらうべきらしいが、そうも言っていられない40度超えの発熱。すぐに紹介状をもらい、タクシーで総合病院に行く。

総合病院の普段の入り口の脇に、「紹介状をお持ちの発熱のある方専用」の入り口が新設されている。要するにコロナ専用入り口。保険証を渡すのは、手渡しでなくビニール袋に入れて渡す。カルテを作ってもらい、防護服を着た職員の方に案内され裏階段を通り、やっつけで新設された発熱外来へ。看護師さんが3人、防護服を着て待機している。テレビとかで見る、あの防護服。実際に見ると、迫力がある。足元は何重にも靴カバーを装着している。なんだか着ぐるみみたいだな。実際に防護服姿を見ると、これを着て仕事に当たるって、相当なストレスだと思う。途中トイレとか行きたくなったらどうするんだろう?お昼時間になったら全て脱いで、食事して、またあの防護服を着るのか、、、、医療従事者には本当に頭が下がる。

問診と血液検査と胸部レントゲン、鼻の粘膜採取が始まる。両鼻に綿棒をそれぞれ突っ込まれたから、コロナ用とインフル用なのかな?「やっと検査をして貰える」安堵で泣きたくなった。救急センターも、朝イチで行ったクリニックでも検査はしてなかったから。PCR検査の結果は1時間で出るとのことで、待合室(と言う名の廊下)で待つ。

途中、追加の検査とのことで、いつもと違う血液検査と中間尿の検査をする。両腕からの採血。採血の前にイソジンで念入りに消毒をする。結構な量の採血だった。

しばらくして診察室に通され、初めてドクターとご対面。コロナ、陰性。でも100パーセント陰性とは言い切れないとのこと。抗生剤と解熱剤をもらい、血液検査の結果が出る4日後に再診に来てください、とのこと。お会計は再診の後でよいとの事。

流石に帰りはタクシーを使う。「運転手さん!コロナ検査陰性でしたけど、念のため窓全開にしてください!」朝飲んだ解熱剤が切れて、この時既に40度の熱があるのに、そんなこと言えた自分がすごいと思う。

帰宅し、抗生剤を飲んで、とにかく寝る。2回ほど抗生剤を飲んだ後、熱が少しずつ下がってきた。「抗生剤が効いている。本当にコロナは陰性だったんだな」安堵の眠りにつく。

再診時にドクターが「何かに感染した。感染経路は不明。だけど抗生剤が効いたからオッケー」再診時の血液検査、胸部レントゲンも「歳の割には」全く問題なし、完治。

春からずっと自宅にいる。都会にだって出かけていない。それでも「何か」に感染した。その「何か」はたまたまコロナでなかっただけ。こうやってコロナに感染するんだな、と擬似体験をした感じだった。

私は今、神奈川の横須賀市に住んでいる。同じ神奈川でもなかなかPCR検査を受けることができない、と言う話も聞く。私の住んでいる市が「町医者で紹介状をもらって指定の病院に行く」というシンプルなシステムなのかもしれない。でも検査の受けにくさはやはり人口の多さに比例するのではないか、と思う。

私の身内には医療従事者が数名いて、現場の大変さは本当によくわかる。輪をかけてこのコロナ禍の時代。普通の人だって、コロナ、怖い。でも医療従事者は知識がある故、その怖さを本当に知っていると思う。そして職場は最前線。使命感が恐怖を押し除け、毎日現場に立つんだろうか?最大級の敬意を医療従事者に。そして国は最前線に立つ人たちに特別な給付金をあげなきゃいけないと思う。オリンピック開催なんて、寝ぼけたこと言ってないで。

結局コロナではなかった9月のお話。これからの季節、身近に感じてしまうことも出てくると思う。罹らないに越したことはないし、こんな時代に発熱なんてしたくない、普通の風邪でも。

「あの時代を生き抜いた」

いつか、そんな風に振り返る時がくるのかな。多分、くると思う。だから、皆さん、生き抜こうね、この時代を。生き抜いた後に多分、違う時代に突入しているんだと思う。時代が変わり、世界も変わる。だから、生き抜こう。

投稿者:

tigressyogi

1969年冬・東京に生まれる 世界放浪中にクリスタルの美しさに心を奪われ クリスタルショップ Tigress Yogi を立ち上げる 筋金入りの偏頭痛持ちだか、日本を離れるとなぜか頭痛は消える 米国クリスタルアカデミーIntermediateコース終了 出没地:インド、ネパールその他山岳地帯

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