今年に入ってやらねばならぬことたくさんありすぎて、エンジンかけまくって走ってきたのだけれど1月も終わらないのに、立ち往生してしまった私。
知り合いの誘いを受けて、週末の現実逃避へ。
新潟県十日市。日本有数の豪雪地帯でおこなわらた雪上ライブへ。
新緑の美しい季節に、一度訪ねたことがあるのだけど冬になったら、雪で閉ざされると言われてもピンとこなかった。私は本当に雪国を知らない。
その日の積雪は1・5メートル。今年はまだ雪が少ないそう。
新緑を身に纏った木々も美しいけど、雪化粧した木々も本当に美しい。
スノードームの中に入り込んだよう。
仕事のメールを一切読まず、帰宅後の予定も一切考えず、頭空っぽにして雪の中に佇み、ミュージシャンの奏でる音色を聴く。視点を少しだけ上に向けると、私を囲む雪化粧をした森。
そうだ、私は本来、旅人だったんだ。と言うことに気づく。
知らない場所に行き、その土地の風を、匂いを、音を、風景を感じ、自分の中に取り込み何かを掴み取ってきたんだ。
日常生活の基盤を、居場所を確立するため、随分と旅から離れていた。それはとても必要なことだったし戻る場所がなければ旅はできない。
『戻る場所なんて、必要ないんじゃない?』
もうひとりの私が囁く。(悪魔)
「戻る場所がなければ、それは旅ではないよ』
「本当に、そうかな?」
必要ないのであれば、この10年、私がしてきたことはなんだったんだろう??
雪深い小さな集落で問答が始まる。
答えをすぐに出さなくてもいい。
日常に戻り、タスクをこなす日々が始まったのだけれど、
その問いかけはずっと心の片隅に置いておこう。