朝起きて、温泉に浸かって、いつものチャイ屋で朝食を取る。
Mr.ハレ・クリシュナの朝の講義(?)は、毎回2時間近く続く。
特に入信を勧めるわけでなく、バガヴァッド・ギーター(という、ヒンドゥ教の聖典)の解釈などなど、、、、、
インドの宗教について素朴な疑問があっても周囲にそれを尋ねることのできる人がいなかったので、
Mr.ハレクリシュナが登場してくれて、本当に嬉しい。
、、、、でも英語で毎朝2時間の講義は、私の集中力が続かない、、、
だんだんと虚ろな眼になる私。そう、虚ろな人生を歩む人の、虚ろな眼のように。
「2時間も英語を聞くのは辛いだろう。理解できなくなっていると思う。
それでも構わない、今は自分が話しているエナジーだけを受け取っていればいいから。
この会話のデータは後で送るよ。(全てICレコーダーで録音している)
3ヵ月後、1年、いや、もっと時間は掛かるかもしれないけど、理解できるときが来るから。」
ときには、3時間でも4時間でも生徒さんの前で講義をするという。
だから話をするのはまったく苦ではないという。
、、、、、、、、苦があるのは、英語が理解できていない私のほう。
、、、こういう時に、毎回、もっと英語を勉強しておけば、、、と思う。
そしてバガヴァッド・ギーターという聖典、、、実は日本を出る直前までこの本を読んでいた私。
でも、日本に置いてきちゃった、、、、持ってくればよかったな、、、、
そうすればもっとMr.ハレクリシュナの講義が理解できたはず。
講義以外にもマントラの唱え方を教えてもらったり、本や数珠を頂いた。
夜になると、一緒に夕ご飯を食べて、「さて、講義の内容やマントラを唱えてどうだったかな?」
という話になる。
マントラは、瞑想をしている気分になる。
呼吸に集中して頭を空っぽの状態に持っていくのに似ている。
その日の昼間に、滝を見に入って岩場でマントラを唱えてみた。
お腹の中で何かがグルグルと回るのがよくわかる。
Mr.ハレクリシュナも「うん、わかる。自分も時々そうなるよ」と。
ある日の夕食のとき、「結婚はしているのか?」という話になる。
Mr.ハレクリシュナがプライベートのことを聞いてくるのは珍しいこと。
私:「いや、シングル(独身)だ」
ハレ:「そうか、離婚か」
私:「いや、離婚はしてない、独身だ」
ハレ:「まだ手続きが終わっていないということか?」
、、、、???どうやら私の英語に問題があるようだ。
私:「いや、生まれてきてから結婚したことはない。だから離婚もしたことがない。」
「それはどういうことだ????」
、、、、なぜこんなに驚かれなきゃならないのか、、、こっちがびっくり。
30後半で独身なんて、いっぱいいる、今の時代。
それに、アメリカ人に驚かれるってのが、びっくり。インド人ならわかるけど。
ハレ:「そうだ、わかった。お前、クリシュナと結婚しろ。」
私:「NO!!!!イヤだよ、そんなの!!」
神様と結婚しろって、、、、それはないだろう、、、、、
何処の役所に結婚届けを出すの?デリーの役所?寺院?
インド住民権はもらえちゃうの?????(、、、それならいいな、、、、)
大体、クリシュナは神様だけど、美しいプレイ・ボーイだ。イヤだよ、そんなの。
ぶっ飛んだこと、言う人だな、、、、と思ったのだけど、
このバシストの後、デリーに行って、オートリキシャの運転手と
「結婚しているのか?」「いや、していない」、、、このお決まりの会話のあと、
「、、、マダムは、今生では人間の夫を娶らないのですね、神様と結婚するんですね、、、、」
、、、、と言われてしまう。
どうやら、適齢期を過ぎた女性は、神様と結婚することになっているらしい、、、インドでは。
このMr.ハレクリシュナは、とにかく人の眼をしっかりと見て話すひと。
そう、私の人生で何人かこうやって眼をしっかりと見る人に出会ってきた。
それは恋人同志が蜜月に、「、、、愛しているよ、、、」という見つめ合いではなく
しっかりと眼を見ているうちに、その眼の更に奥にある何かを見ている、、、、
そんな感じの眼の見かた。
私もMr.ハレクリシュナの眼の奥をじっと見て話す。
今回インド行きを決めた時点では南インドに行く予定だった。
でも、ネパールから南インドへは飛行機を使っても、時間が掛かる。
10日間ではちょっときつい。それで北インド、マナリに行くことにした。
マナリにもう一度行こう、、、と決めたときから
ずっと、夢や瞑想の中で「神に仕える人と出会う」イメージが付きまとっていた。
出発直前まで。
夢の中では、色々なバージョンがあるのだけど、
基本的には、「神に仕える人」と出会って、give and take をする、、、というもの。
で、発熱・腰痛で苦しんでいたこのバシストでの瞑想でも「神に仕える人」
というキーワードが出てきた。
ああ、この人のことなんだ。Mr.ハレクリシュナ。
ちゃんと、出会えちゃったわけね。